担当者会議を意味あるものにしよう

介護保険のゆくえ

これからのケアマネジャーには、(特定事業所は特に)ヤングケアラー、障がい者、生活困窮者、難病患者など他制度の知識を深めることを要求されており、とくに高齢になる障がい者の相談は多数にのぼっており、障がいサービスにも明るいケアマネジャーが求められています。

介護保険対象の方の家族や、障害サービスから介護保険に移行する方など、障害福祉サービスの相談に対応することが必要になってきていますが、高齢化が目立つ居宅介護支援の業界では、いまだに昔気質のケアマネジャーさんが生息しているようです。

いまだに残る勘違いケアマネ

ケアプランを握るケアマネジャーが、まるですべての権限を握ったかの如くに振る舞い、上から目線で指示や指導をするのです。えてして、そういう方は利用者側には平身低頭で受けの良い方が多いように見受けられます。
はじめに申し上げますが、決して全部のケアマネジャーを、対象にしているのではありませんのでお含み置きください。

ケアマネジャーの一番の目的とは、利用者側の状況を把握した上で要望を適正にプランに落とすこと。その際、必要と判断される介護保険サービスを公平に調整することです。
つまり、支援者の間に上下関係はありません。

居宅の担当者会議は基本的には、全員が他事業所なわけでケアマネジャーは、ただ会議のまとめ役であるはず。それがなぜか、まるで集まった支援メンバーの上司のごとき言動をする人がいるのですよ。

カタチだけの担当者会議

さらにケアマネジャーの独断で、あるいは自分の息のかかった(使いやすい)事業所を中心に、プラン内容を進行させてしまう人がいます。

利用者の現状に即した状況を把握しているのは、月いち訪問のケアマネジャーではなく、サービス事業者であるはず。支援者は互いに協働でなければならず、その代表で出向いている支援者は、自信を持ってもっと発言すべきだと思うのです。


ケアマネジャーは行政からのお達しに従いどうしても画一的になりがちで、時間も30分程度に収めようとする人が多いのも事実です。
時間内に予定通りに進める仕切りのうまい人が、えてして有能なケアマネジャーのように扱われる、それもおかしなことで、考えれば時間の無駄にしかならない会議だとおもいませんか。

サービス事業所もケアマネジャーの顔色をうかがう必要なんてないのです。
なぜならデイのことなら、あるいは訪問介護のことなら、はるかにケアマネジャーよりもあなた方のほうがプロではありませんか。

なぜケアマネジャーとサービス事業所に上下関係が生まれるのか

どうしても事業所さんは無意識にケアマネジャーを見て仕事をし、ケアマネジャーは保険者や地域包括支援センターや病院を見て仕事をするきらいがあるようです。

資本主義社会の意識下でしょうか、それは顧客が流れてくる方向だからです。

初対面で相手のことを何も知らないのに、サービス事業所さんのなかにはケアマネの前で緊張し、馬鹿丁寧にまるで有名人にでも接するような態度のスタッフさんに何度かあったことがあります。

これはとんでもなく間違いです。というより危険な考えです。こういう思い込みで接する人は、ケアマネに対して根拠のない尊敬を持ってしまいます。時々見かける、態度のでかいひとりよがりの勘違いケアマネを生み出す元凶になりかねません。

企業のしくみからどうしても、顧客を紹介してほしさに、あるいは管理側に目を向ける会社員の習性からか、事業者はケアマネに視線を向け、ケアマネジャーは行政を向いて仕事をする人が目立つ傾向にありますが、ケアマネジャーは偉くもなんともありません。

利用者さんを紹介してもらうために、営業上こびへつらっている事業所だとしたら、それはまだ健全といえるでしょう。まちがってもケアマネを崇拝対象にしたり、チヤホヤしたりしてはなりません。決して勘違いケアマネを生まないようにしましょう。

本当に力のある、必要なケアマネジャーを作るのはサービス事業所だと思います。
そして利用者に必要な社会資源についても、積極的に発言し提案していきましょう。そこを傾聴しないケアマネジャーはその時点で失格でしょう。

まずは協働体として、行政もサービス事業所もケアマネジャーも同じ立ち位置に立つこと。
その認識から始めることが大切です。
介護保険の今後を創るのも、ケアマネジャーを変えるのも、サービス事業所さんの力はとても大きいものがあるはずです。