医療系に強いケアマネがモテる傾向にある?

ケマネジャーのつぶやき

今日はみなさんの元職をお聞きしていいですか?

僕はソーシャルワーカーをしていました。

私は看護師でした。

ぼくは介護福祉士です。

私は〇〇病院でリハビリの専門職をやっていました。

自己紹介の時に医療系の人がいると、福祉系の人が控えめになってしまうのはなぜでしょう。
また、関連機関から利用者さんの紹介時などに「この方は病気が多いので、医療に強い方がいいですね」など、不用意に発言する人もどうかと思うのですよ。

暗に医療に詳しいケアマネジャーが優秀だと聞こえてしまいます。
そんな情勢が高じると、医療資格を持っているケアマネジャーのほうが信頼がおけるとか、格が上という根拠のない構図が出来てしまうのです。

「医療系に強い」って、いったい何?

では、医師や看護師がケアマネなら問題は解決ということになりませんか?

医薬品の名前をよく知っているとか、病気について治療法や薬をよく知っているとか、病院に勤めていたことがあるので知識を持っている、とかいうことですかね。

偏った、あるいは間違った認識で、会話の中にやたらと横文字の言語を用い(その類のひとにおうおうにしてありがちな)得意顔の早口でまくし立てる熟練ケアマネさんたち。あー、居ますいます。
きっと、「これだけ私は勉強したのよ、よく知っている私を見て」と言っているのだなあ、と思ったものです。さぞご本人は気持ちが良いのだろうなあ、とも。

本来のケアマネジャーの任務って

でも、どんなに知識を持っていても医療系の専門職の方には及ばないじゃないですか。
また、そこを競うものではないはず。
ケアマネジャーの役目って、何より社会資源の認識及び発掘、利用者さんにとって適切なサービスをはじめとした数ある支援の調整力だったはず。そのために奔走する専門職であって、看護師だろうがヘルパーだろうが要はその人の統率力と人間力だと思います。
ケアマネジャーの本来の任務は何かということを忘れず、一歩引いて謙虚であるべきでしょう。

また、最近の地域包括支援センターも、設立当初の意気込みが薄れてきているような気がします。
たしか、地域の民間ケアマネジャーたちの後ろ盾や指導、サポートも大事な仕事のうちだったはずと認識していたのですが。
いまやベテランケアマネにはおんぶにだっこ、彼らをよいしょして動かし、共有や協働という名のもとに本来の義務を果たしていないような気がするのですが。

それもこれも、発足当時と違いどこもかしこも介護業界は人出不足。
人材育成に到達しないまま雇い入れるしかないのが現実、すると継続ができず未熟なまま人が入れ替わる。この悪循環から、地域に根付いた数少ないケアマネに頼らざるをえない構図が、生まれてくるのでしょうよ。

さて、本来のケアマネジャーのやるべき課題とは、「利用者がより良い支援を受けられるように、サービス資源を集め調整すること」ではなかったでしょうか。

かつてなんどか「私は〇〇の職種しかしていないので、ケアマネジャーになる自信がありません」という人に会ったことがあります。

「なぜ、たくさん仕事を経験する必要があるの?」と聞くと「それしか知らないので、いろいろ聞かれてもわからないから」との返事。
どうやら、ケアマネは何でも知っていて、なんでもできる人しかできないと思っているようです。

これは間違いです。というより危険な考えです。こういう思い込みで接する人は、ケアマネに対して根拠のない尊敬を持ってしまいます。時々見かける、態度のでかいひとりよがりの勘違いケアマネを生み出す元凶になりかねません。
初対面で相手のことを何も知らないのに、ケアマネの前で緊張し馬鹿丁寧に、まるで有名人にでも接するような事業所のスタッフさんに何度か会ったことがあります。

良質なケアマネはサービス事業所のスタッフが育てる

企業のしくみからどうしても、顧客を紹介してほしさに、あるいは管理側に目を向ける会社員の習性からか、サービス事業者はケアマネに視線を向け、ケアマネジャーは行政を向いて仕事をする人が目立つ傾向にありますが、ケアマネジャーは偉くもなんともありません。

利用者さんを紹介してもらうために、営業上こびへつらっている事業所だとしたら、それはまだ健全だと思う。まちがってもケアマネは崇拝対象ではないのですよ。

まずは、協同体として行政もサービス事業所もケアマネジャーも同じ立ち位置に立つこと。その認識から始めることが大切です。